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不同意わいせつ(旧 強制わいせつ罪)
~ 「最強タッグ」 ~
強制わいせつ事件をはじめ多くのご相談・ご依頼をいただいております。
次のような堺市でおきた不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)の事例(フィクション)があるとします。
堺市在住の女子高生のV子さんは空手部に所属しており,腕に覚えがあります。ある日の夜7時頃,急行電車に乗って堺駅へ向かっていました。
電車の中は混雑していました。V子さんが乗車してから数分経過した午後7時3分頃,AはV子さんのスカートの裾から下着の中に手を入れて陰部などを触ってきました。
V子さんは驚いて後ろを見ると,黒のスーツに青色のワイシャツ,赤いネクタイを付けたサラリーマン風の男(A)がスカートの中に手を入れていたのです。
V子さんはは慌てて,次の駅で降りて電車を乗り換えました。しかし,AはV子さんの後を追ってくるのです。
Aは兄のDさんにメールを送りました。メールの内容は「今,痴漢にあった。男が後をつけてきて怖いので駅まで迎えに来て欲しい。男は30歳くらい,黒のスーツに青のワイシャツ,赤いネクタイ」というものでした。
兄のDさんも空手の有段者で全国大会の覇者です。Dさんは驚いて妹のVさんにメールを返信しました「今すぐ駅に行く。他人のふりをしてZバーガー前で待ってて」。
7時20分頃,V子さんは駅につき,電車を降りて改札口を通過しました。Aも後を追ってきます。
V子さんがZバーガー付近にまで近づき一安心していると,Aが真後ろに立っていました。
その時,Vの兄DがAに対し「お前,この子に痴漢しただろう」と問い詰め,夜の7時20分頃,現行犯逮捕しました。
Aさんのご家族は,不同意わいせつ(旧 強制わいせつ罪)のことや今後のことが心配になり,弁護士に相談することとしました。
(上記事例は,東京高判平成17年11月16日の事例を題材にしたフィクションです。また,判例の事件当時の罪名は「強制わいせつ罪」です。)
わいせつな行為をした場合,不同意わいせつ罪【6月以上10年以下の拘禁刑】が成立します。
拘禁刑とは,2022年6月17日公布の改正刑法により,従来の懲役と禁錮を一本化したものとして創設された2025年6月1日施行の新しい刑の種類です。
不同意わいせつ罪が問題となるケースとしては,上記のフィクションの事例のように「下着の中にまで手を入れる行為」が考えられます。
刑事訴訟法212条1項には次のような規定があります。
(1項)現行犯逮捕
現に罪を行い,または現に罪を行い終わった者を現行犯人とする。
現行犯人は,「だれでも」これを令状なしで逮捕できます(刑事訴訟法213条)。例えば,車内で痴漢にあった場合に,被害者やその周辺にいた人が犯人を捕まえることが挙げられます。
もっとも,令状なしで逮捕できるものであるため,現行犯を満たすための要件も厳格です。また,一般の方が現行犯人を逮捕したときは,直ちに警察などの捜査機関に引渡さなければなりません。
そして,「現に罪を行い終わった」者の現行犯逮捕は,逮捕者にとって,特定の「犯罪」が終わったばかりの生々しい状況が明白に認められ,かつ,被逮捕者がその「犯人」であることも明白である場合に許されます。犯人性が明白であること,犯行と逮捕との時間的接着性があることが要件として考えられるところです。
上のフィクションの事例でV子さんは自ら現行犯逮捕できるでしょうか?
確かに,V子さんが逮捕した場所はZバーガーの近くで犯行場所である車内とは場所的に距離があります。
しかし,V子さんは社内でAの痴漢行為を現認し,Aが犯人であることを理解して,その後,Zバーガーに至るまでの間,Vにずっと尾行されていました。そして,その時間も20分程度です。
とすると,1つの考え方として,V子さんにとって,犯罪と犯人の明白性が維持された生々しい状態のまま,場所だけが移動したとも考えることができ,「現に罪を行い終わった」者ともいえます。
よって,V子さんは現行犯逮捕しても違法ではないと考えることができます。
では,兄のD男さんが逮捕した場合はどうでしょうか?
1つの考え方として,次のようなものがあります。
V子さん自身が逮捕した場合は問題がないとするのであれば,V子さんの代わりに逮捕行為に及んだDはV子さんと共同して行ったものと評価することもできるという考え方です。
V子さんは兄のDに犯人のAを捕まえてもらおうと考えて,兄のDさんにメールを送ったり,Dさんの指示に従って行動しています。
V子さんとDさんの連絡の状況やDさんの犯人であるとした判断に誤りがないという特殊性があるのであれば,いわばDはV子さんの代わりに逮捕行為に及んだといえ現行犯逮捕は適法であると考えることができます。
【東京高判平成17年11月16日 WESTLAW掲載判例】
本件現行犯逮捕は,犯行終了から約18分経過し,犯行現場からも距離的に相当離れており,手続上,被害者から携帯電話で痴漢の被害にあった旨の連絡を受けたに過ぎず、被害の正確な認識を有しない父親のみによる逮捕とされているが,被害者と連絡を取り合い,犯人の人相,風体に関して認識を持つに至った父親が,被害者に協力する形で,被害者に代わって逮捕という実力行動に出たものといえ,実質的逮捕者は父親と被害者であると認めるのが相当であり,被害者との関係では,本件逮捕は現に罪を行い終わったとの要件を満たしているから,現行犯逮捕としての適法性を備えていると解することができる。
Aが少年である場合,少年事件の手続きの流れにのることになります。
事件は家庭裁判所に送致され,家庭裁判所の調査を経て処分がなされます。少年鑑別所や少年院回避に向けての活動も重要となってきます。
少年事件について,詳しくは下記のページもご参照くださいませ。
不同意わいせつ罪で逮捕されるのでしょうか?
ここで,逮捕手続きには,本事例の現行犯逮捕の他に「令状による逮捕」があります。
そして,「令状による逮捕」には,事前に裁判官が令状を発付して行われる通常逮捕と,一定の重い罪を犯したと疑われる場合で逮捕状を請求する時間がないときに,まず被疑者を逮捕しその後直ちに裁判官の令状発付を求める緊急逮捕とがあります。
不同意わいせつ罪は,逮捕の可能性が高い事件です。逮捕されると,長期間にわたって身柄拘束がなされる可能性があるため,直ちに弁護士に依頼し,釈放等に向けて準備することがポイントの1つといえます。
また,少年事件においては,非行の重大性でなく少年の資質面の問題を検討する必要があり,少年鑑別所に送致される可能性もありえますので,少しでも早めに環境調整活動を行うことが重要となってきます。
さらに,被害者に示談をする等の対応も必要となってきます。
こちらのページを読んだ方には,下記ののページもよく読まれています。ぜひご一読ください。
堺市をはじめ刑事事件・少年事件でお悩みの多くの方からご相談をいただいております。適切な見通しとともに,どうすれば状況が少しでもよくなるかご提案させていただきます。また,少年事件においては環境調整のポイントも含め,再非行防止をどのようにすればよいのか丁寧にお話をさせていただきます。初回相談料無料ですので,時間を気にせずご相談ください。
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解決事例の一部を掲載しておりますのでご参照ください。
2023/07/20