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器物損壊事件をはじめ多くの方からご相談を頂戴しております。
例えば,羽曳野市で器物損壊罪で羽曳野警察署に捜査された次のようなフィクションの事例があるとします。
Aさんは近くに住んでいる同僚のV子さんのことが以前から気になっていますが,いっこうに振り向いてくれません。ある日,Aが散歩していると,喫茶店でV子さんが他の男の人とお茶をしているのを目撃しました。Aは腹が立ち,つい出来心で,V子さんの家の玄関のドアノブに接着剤を流し込みました。
しかし,ちょうどその頃,V子さんの家の近くでは最近不審者がうろついているため,気味が悪く警備会社に防犯カメラ設置を依頼していたのでした。
V子さんは,家に帰り,鍵をドアに差し込んだのですが,鍵が入りません。不審に思い警察署に相談にいきました。そして,被害届を出しました。捜査の結果,防犯カメラに映っていたAさんが割り出されました。後日,羽曳野警察署からAさんに連絡が入り,一度,警察署に来て欲しいと言われました。
Aさんは,ついカッとなって出来心でやってしまった自分の行いを反省していますが,警察の取調べや今後のことについて不安です。Aさんは,弁護士に相談することを検討しています。
(上記事例は,フィクションです)
上記事例を検討してみようと思います。
≪器物損壊罪について≫
まず,AがV子さんのドアノブに接着剤をいれて,ドアノブを壊したことは器物損壊罪に該当します。
刑法261条には次のようなことが書かれています。
【刑法261条(器物損壊罪)】
前3条に規定するもののほか,他人の物を損壊し,又は傷害した者は,3年以下の拘禁刑(※)又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(※)拘禁刑とは,2022年6月17日公布の改正刑法により,従来の懲役と禁錮を一本化したものとして創設された2025年6月1日施行の新しい刑の種類です。
器物損壊罪は,他人の物を物理的に壊した場合に成立する犯罪ですが,それ以外にもその物の効用を害する一切の行為をした場合にも「損壊」にあたり,器物損壊罪が成立します。
器物損壊罪の具体例としては,「他人の車を傷つけること」や,「お店の看板を取って壊すこと」が挙げられますが,物の効用を害するものとして,例えば,「看板を隠すこと」も含まれます。
また,過去の判例には,「お店の食器に放尿すること」が器物損壊罪に該当するとしたものもあります。
≪Variation≫
仮に,Aが鍵を壊した後,V子さんの家に入った場合には,住居侵入罪が成立します。他人の住居に侵入した場合には,逮捕の可能性がぐっと高まります。
≪窃盗罪について≫
仮にAがV子さんの家で,物色した場合にはどうでしょうか?
刑法235条には窃盗罪について規定しています。
【刑法235条】
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
他人の物を盗んだ場合には,窃盗罪が成立します。窃盗罪の法定刑には罰金刑も設けられていますが,金額の多寡や余罪の有無,前科の有無によっては,正式裁判として懲役刑の可能性もあります。
他人が居住するマンションの玄関扉外部塗装面のほぼ全面に,油性マジックペンで文字等を記載した行為が,器物損壊罪にいう「損壊」に当たるとされた事例があります。
【抜粋】
原状回復の困難性について,弁護人は,上記対処方法によって消去できることをもって,「容易」であり,器物損壊に当たらないと主張している。
しかし,本件書き込みが,水や布によって,容易に拭き取れるものではないことは明らかである上,ホームページに記載されているとはいえ,上記対処方法が社会一般に周知されているような方法ということができない。
また,上記対処方法それ自体についても,入手が一般的に可能であるとはいえ,「無水エタノール」や消しゴムを用意しなければならないものであり,しかも,本件において書き込まれた量やその面積などに照らすと,その全部を消去するには,相当な時間と労力が必要であることは明らかであって~上記対処方法によって本件書き込みが完全に消去できるものであったとしても,原状回復に相当の困難を生じさせたものというほかない。
~本件書き込みは,本件建物の外観ないし美観を著しく汚損し,かつ,原状回復に相当の困難を生じさせたものであると認められ,本件玄関扉の効用を減損させたものというべきであるから,刑法261条にいう「損壊」に該当する。
【上記の裁判例の補足説明】
油性マジックは,無水エタノールで消すことが可能という主張がなされましたが,「損壊」にあたるとして,器物損壊罪が成立するとしました。
「逮捕」には,「令状による逮捕」(「通常逮捕」「緊急逮捕」)と令状にもとづかない「現行犯(準現行犯逮捕)」とがあります。
器物損壊事件については,在宅捜査として進むことがありますが,当事務所にご相談に来られた事件の中には逮捕されたケースもあります。
なお,器物損壊事件以外にストーカーの嫌疑や住居侵入の嫌疑がある場合には,逮捕の可能性が高まります。そして,その場合,被害回復を図れないと,なかなか釈放が認められないということもおきます。
器物損壊罪はついカッとなってやってしまうことが多く,犯行の後,多くの方が反省されます。そのような場合には,被害者がいる犯罪ですので,示談をすることは重要です。逮捕回避の可能性を高めたり,釈放の可能性を少しでも高めたり,有利な処分(不起訴・罰金・執行猶予)獲得を期待することができます。
ただし,加害者が被害者に直接連絡することは難しく(捜査機関が被害者の情報を教えてくれないこ都が多い),弁護士を間に入れて冷静に交渉することがポイントです。
被害感情は日に日に増してゆくことが多く,早めに弁護士に相談することで気持ちがぐっと軽くなります。
藤井寺法律事務所は,広く近畿圏からご相談・ご依頼をいただいており,弁護士が直接「初回無料相談」を行います。刑事事件はスピードが命です。早期に弁護士にご相談され,早めに対策をたてることが有利な結果へとつながりやすくなります。一人で悩まず,ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。
身体拘束された事件では,最短電話いただいた当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「接見サービス」もご提供しています。
当事務所には毎月,羽曳野市・藤井寺市在住の方から刑事事件・少年事件やご家族が逮捕されたため接見に行って下さい,など多くのご相談をいただいております。刑事事件・少年事件はスピードが重要です。お悩みの方は無料相談をしておりますので,刑事事件・少年事件の解決実績豊富な藤井寺法律事務所までご相談ください。
少年事件・少年犯罪の解決実績も豊富です。少年事件でよくあるご質問やご相談を下記ページに掲載しましたのでご参考にしてください。当事務所の弁護士は不処分や少年院回避の実績もあります。
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