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羽曳野市の住居侵入罪で逮捕された事例を検討

住居侵入罪

~ 恋に落ちすぎて ~

藤井寺法律事務所では,毎月,多くの方からご相談を頂戴しております。

例えば,羽曳野市住居侵入罪羽曳野警察署に逮捕された次のようなフィクションの事例があるとします。

Aさんは近くに住んでいる同僚のV子さんのことを気になっています。日に日に思いは募るばかりです。

V子はAの近くの集合住宅の1階に住んでいます。集合住宅には管理人が常駐し,「関係者以外立入禁止」という看板が設置されています。

Aが非番のある日,散歩した帰り道にV子の部屋の窓が開いていました。この日は,V子は出勤日のはずでした。AはもしかしてVは窓を閉めるのを忘れたのではないか?と思い,V子の私生活が気になっていたため,窓から入ってV子の部屋の様子を見てみよう。そして,何かV子の物を盗んで帰ろうと思いました。Aは意を決してV子の窓から部屋に侵入し,部屋を見て回りました。

部屋の色んな所を物色していると奥の部屋から「がさがさ」と音が鳴りました。おそるおそる近づいてみると,V子は部屋にいたのです。AはV子と目が合ったような気がしたので,何も盗らず慌てて逃げかえりました。

後日,V子が被害届を提出し,捜査の結果,Aは逮捕されるに至りました。

(上記事例は,フィクションです)

住居侵入罪

上記事例を検討してみようと思います。

まず,AがV子の部屋に入ったことについては住居侵入罪が成立すると考えます(刑法130条前段)。

刑法130条前段には次のようなことが書かれています。

【刑法130条前段(住居侵入罪)】

正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入した物は,3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。

拘禁刑とは,2022年6月17日公布の改正刑法により,従来の懲役と禁錮を一本化したものとして創設された2025年6月1日施行の新しい刑の種類です。

ここで,住居侵入罪とは,住居者の意思に反して他人の住居や建造物に立ち入ることを処罰する規定です。住居侵入罪の「人の住居」とは、人が起臥寝食のために日常的に使用する場所をいいます。たとえば、他人が住んでいる一戸建ての住宅やマンションの各居室などが挙げられます。

また,「侵入」とは,居住者ないし看守者の意思に反して立ち入ることをいいます。

本件でAはV子さんの意思に反して窓からV子さんの部屋に入っており「人の住居」に「侵入し」といえ住居侵入罪が成立します。

邸宅侵入罪
~VARIATION~

仮に,V子さんが5階に住んでいるとしましょう。

Aさんが,1階の出入り口から入り,共用のエレベータを使って5階に行った場合にはどうでしょうか?
この場合,住居侵入罪は成立するのでしょうか?

確かに,V子さんの部屋には侵入していません。しかし,刑法130条前段には「人の看守する邸宅」に侵入した場合も処罰されると規定されています。

ここで,集合住宅の共用部分は「邸宅」にあたります。そして,管理人が常駐しており,侵入防止のための人的設備がある以上,「人の看守する」という要件もみたします。さらに,「侵入」についてですが,「関係者以外立入禁止」とあり,看守者の意思に反して立ち入っているといえます。

よって,この場合には,邸宅侵入罪が成立することとなります。

窃盗罪

次にAはV子の部屋に入って物色しています。しかし,何もとらずに帰ってゆきました。これについてはどうでしょうか?

刑法235条には窃盗罪について規定しています。

【刑法235条】

他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

【刑法243条】

第235条(窃盗罪)の罪の未遂は,罰する。

【刑法43条】

犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は,その刑を減刑することができる。ただし,自己の意思により犯罪を中止したときは,その刑を減刑し,又は免除する。

本件では,Aは物を盗らずに逃げているので,窃盗既遂罪は成立しないように思えます。

もっとも,未遂罪は成立するでしょうか。刑法243条には未遂罪も罰すると規定されています。

ここで未遂罪とは,犯罪行為の実行に着手したものの犯罪の結果が発生しなかった場合をさします(実行行為には着手したものの結果が発生しなかった場合を未遂といいます)。

本件では,物を盗らずに逃げているので,まず,既遂罪は成立しません。では,未遂罪はどうでしょうか?Aは物色しただけですけど,これでも未遂罪は成立するのでしょうか?

例えば,スリ犯が頭の中でスリをしようと思っていても,未遂罪が成立しないのはわかると思います。

では,スリのターゲットを探しているときはどうでしょう?これも,未遂罪が成立しないと思いますし,そうだと考えます。では,スリ犯がターゲットをみつけたがポケットの中に財布が入っているかどうかポンと手をあてるのはどうでしょうか?さらに進んでターゲットのポケットの中に手を入れたときはどうでしょうか(ポケットの中に手を入れたときにターゲットに逆に手を掴まれたとき,未遂が成立するのでしょうか)?

ここでのポイントは,いつの時点で実行の着手があるかということです。刑法43条には,「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった」者を未遂としています。ですから,実行の着手時期が問題となるのです。

この実行の着手時期については,様々な見解があるところですが,「当該犯罪類型の未遂犯として処罰に値するだけの法益侵害の危険性が高まった時点」を着手時期とする見解があります。漠然としていてわかりにくいのですが,これを簡単に言うのは難しく,(誤解を恐れず簡単にいうと)未遂犯として処罰していいほどに,ある程度危険な状態に達した時とも思われます。

本件においては,Aは物色行為をしています。住居侵入窃盗の場合は,物色行為をしたときには,もはや窃盗罪の未遂犯として処罰に値するだけの法益侵害の危険性が高まったといえ,窃盗未遂罪が成立すると考えられます。なお,土蔵の中の物を窃取する目的で土蔵に侵入しようとした事例について,侵入行為に着手した時点で窃盗の実行の着手を認めた裁判例があります。

よって,Aには,住居侵入罪の他に窃盗未遂罪が成立します。

中止犯

Aは住居侵入罪と窃盗未遂罪が成立します。

しかし,先程の未遂罪の条文を思い出してください。気になることが書かれています。

【刑法43条】

犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は,その刑を減刑することができる。ただし,自己の意思により犯罪を中止したときは,その刑を減刑し,又は免除する。

未遂犯に関しては,自己の意思により犯罪を中止したときは,刑が減刑されたり,免除されたりするというのです。Aは窃盗未遂罪が成立しますが,Vと目が合った気がしてあわてて逃げかえっています。このような場合に刑が減刑されたり,免除されたりするのでしょうか?

先ほどの「自己の意思により犯罪を中止したときは,その刑を減刑し,又は免除する。」というのを「中止犯」と言います。どのような場合に中止犯が成立するかも様々な見解がありますが,1つの見解として「自己の意思により」とは,「やろうと思えばできたけど,あえてやらなかった場合」と考えるものがあります。

本件でAは,Vと目が合ってやばいと思って逃げたのであり,やろうと思えばできたわけではなく,中止犯が成立しません(誤解を恐れず申し上げますと,実務において中止犯が認められることはほとんどないと思います)。

住居侵入窃盗で逮捕されるの?

「逮捕」とは,被疑者の身体を強制的に拘束し,指定の場所に引致することをいいます。逮捕手続きには,「令状による逮捕」(「通常逮捕」「緊急逮捕」)と令状にもとづかない「現行犯(準現行犯逮捕)」とがあります。住居侵入窃盗罪については,逮捕されるケースが多いです。

また,逮捕された後は,罰金刑ではなく,正式裁判となって,実刑が視野に入ることも少なくありません。

本件のように,Vさんのような被害者がいるケースであれば,被害者と示談をすることで逮捕回避の可能性を高めたり,仮に身体拘束されても釈放の可能性をあげたり,少しでも有利な処分(不起訴・罰金・執行猶予)獲得を期待することができます。

ただし,Aのような加害者が被害者に直接接触するのは危険ですので,弁護士を間に入れて冷静に交渉することがポイントと言えます。

被害感情は日に日に増していくが多く,なるべく早めに弁護士に相談して被害回復に向け行動していくことも重要な選択肢の1つと考えられます。

住居侵入・建造物侵入事件における弁護活動

  • 1
    取調べに向けてのアドバイス
  • 早期の身体拘束解放活動
  • 被害回復
  • 不起訴処分や執行猶予獲得等,少しでも有利な処分が出るよう活動

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