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令和３年ストーカー規制法改正
改正ストーカー規制法が令和３年５月１８日，衆院本会議で可決，成立しました。
改正法では，ＧＰＳ機器を利用して，相手の承諾なく位置情報を把握する行為などを規制対象に追加しました。令和３年８月２６日より施行されます。
このページでは，改正ストーカー規制法違反について説明します。
改正の経緯
近年，スマートフォンやアプリの技術が進み，ＧＰＳ機器を通じて容易に他人の所在をつかむことができるようになりました。そのため，相手の知らないうちにＧＰＳ等をとりつけて相手を監視するような事例も出てきました。
一方で，令和２年７月３０日の最高裁判決では，自動車にＧＰＳ機器をとりつけて遠隔で監視する行為について，「見張り」には当たらないと判示されました。
これにより，ＧＰＳなどを利用した見張り行為等がストーカー規制法で処罰することが困難となり，今回の改正の運びとなりました。
主な改正点
- 相手の承諾なくＧＰＳ機器を利用した位置情報の取得
- 相手が実際にいる場所で見張りをする等
- 相手から拒否されたにもかかわらず，連続して文書を送付
上記に該当する行為は，警告・禁止命令等の対象となります。なお，反復して行った場合は，ストーカー行為罪の対象となります。
【改正ストーカー規制法２条３項】
この法律において「ストーカー行為」とは，同一の者に対し，つきまとい等（以下略）又は位置情報無承諾取得等を反復してすることをいう。
主な改正の内容
相手の承諾なくＧＰＳ機器を利用した位置情報の取得について
相手の承諾なく，相手の所持する位置情報記録・送信装置（ＧＰＳ機器等）の位置情報を取得する行為や相手の承諾なく相手の所持する物にＧＰＳ機器等を取り付ける行為が対象となります。
例えば，相手の承諾なく
- 車などにＧＰＳ等をとりつける
- アプリを利用して相手のスマートフォンの位置情報を取得すること
が例として挙げることができます。
相手が実際にいる場所で見張りをする等
これまでの規定対象だった住居，勤務先，学校等の通常いる場所に加え，「相手が現に所在する場所」へのつきまとい行為が対象となりました。
具体的には，
- 相手がたまたま立ち寄っていた店舗に押しかけたり
- 相手の旅行先のホテル付近をみだりにうろつくこと
が挙げられます。
相手から拒否されたにもかかわらず，連続して文書を送付
電話，ＦＡＸ，電子メール，ＳＮＳメッセージに加え，拒まれたにもかかわらず，連続して，文書を送る行為が新たに規制対象となりました。
具体的には，
- 相手の自宅や勤務先に毎日手紙を送付する
- 相手の自宅の郵便受けに直接手紙を何度も投函する行為
が挙げられます。
ストーカー規制法違反の弁護活動
ストーカー事件の特徴として, 被害者が恐怖心や強い処罰感情を抱いていることが多く，示談交渉が難航したり，被害者への接触の危険性があるため釈放のハードルが高いということが挙げられます。
弁護士は，被害者の方と解決に向けて交渉を行ったり，釈放や保釈の可能性を上げるべく活動してゆきます。また，再犯の可能性が低いなど，被告人に有利な事情を的確に指摘し少しでも量刑が軽くなるように活動します。
ストーカー規制法違反の解決事例
ストーカー規制法違反の解決事例をご紹介します。
ご相談前
ストーカー規制法違反で捜査を受けたため，ご依頼を頂きました。
ストーカー規制法違反で捜査となると，身体拘束の可能性や重い処分を懸念される方が多いです。
ご相談後
ご依頼後，弁護士は被害者とのお話合いや少しでも軽い処分に向けて活動しました。
検察官には，本人の再犯防止策の徹底や被害者への対応を考慮にいれていただき，不起訴処分となりました。
藤井寺法律事務所では，弁護士が，直接「初回無料相談」を行います。今後のことが不安，今後の見通しを聞きたい等，ご相談を受け付けております。刑事手続きの今後の流れや，釈放・保釈の見通しなどについて丁寧にアドバイスいたします。
身体拘束された事件では，最短電話いただいた当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「接見サービス」もご提供しています。
2021/05/20
