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人を殴って怪我をさせた場合,傷害罪が問題となります。例えば,かっとなって人を殴ったり,お酒をのみすぎて我をわすれて人を殴った場合に問題となり得ます。当事務所にも喧嘩の末に傷害沙汰となったというご相談もいただいております。
このページでは,喧嘩の末に人にけがをさせて八尾警察署で逮捕されたフィクションの事例をもとに,傷害罪の説明や仮に弁護士を依頼するとしてどのようなサポートをしてもらえるのかについて記載しています。
傷害罪
~ 酸っぱい味の海鮮サラダ ~
例えば,次のような八尾市において傷害罪で逮捕された事例(フィクション)があるとします。
V男とA女は結婚して5年目になります。ローンを組み2人で住むマンションも購入しました。当初は仲睦まじく暮らしていましたが,やがて倦怠期に入り,お互い会話も少なくなりました。V女がA男に悩みを打ち明けてもA男は聞こうともしません。
最近は,A男は帰りも遅く,普段つけていない香水をつけるようになっています。V女がA男に遅くなった理由や今日の出来事も聞いても教えてくれません。それどころかV女に対して「うるさい」などと罵倒してきます。V女は我慢の限界がきてA男に対しても大きな声で反論をするようにもなりました。
そのような険悪な日々が続く中,ある朝,ご飯をV女が作ってA男に出しました。普段からよく作っている海鮮サラダです。サラダにはV女が自分で作ったドレッシングをふんだんにかけています。
A男がサラダを口にすると,V女に向かって「前から言おうと思っていたけど,このサラダは酸っぱすぎる」と言いました。すると,V女は我慢の限界が来て,「馬鹿にするな」と言ってA男の胸倉をつかみました。
V女の興奮はおさまらず大声をあげてA男に「この人でなし」など罵声を浴びせ続けました。A男はV女の言葉に腹が立ち,V女の頭をはたきました。それに対して,V女は更に興奮しA男の肩をつかんで顔を平手打ちしようとしてきました。
A男は「お前はうざい」と言って,テーブルの上においてあるカッターナイフの刃を3cmくらい出してV女の肩付近を切りつけました。
その後も,A男とA女はもみくちゃになりましたが,V女の肩から出血が止まりません。血が出ていてもV女の怒りは収まりません。A男はさらに,テーブルの上にあったコップをV女の顔に投げるとV女の鼻にあたり,V女は鼻血がでました。あまりに2人の喧嘩がすさまじく,隣の部屋の方が警察を呼びました。
しばらくして警察がやってきてA男を逮捕しました。
(上記事例は,フィクションです)
今回のA男についてすぐ思い浮かぶ罪名は「傷害罪」ではないでしょうか。
刑法204条には「人の身体を傷害した者は,15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する」とあります。
(※)拘禁刑とは,2022年6月17日公布の改正刑法により,従来の懲役と禁錮を一本化したものとして創設された2025年6月1日施行の新しい刑の種類です。
ここで,「傷害」とは,「人の生理的機能に障害を与えること」と解されています。例えば、出血をさせたり,骨折など怪我をさせることが挙げられます。
本件では,A男はV女に対しカッターナイフで切りつけたり,コップをV女の顔に投げ出血されていることから傷害罪が成立します。
なお,「生理的機能に障害を与える」とは,この他,病気にかからせること等も該当します。被害者を欺罔して毒物を服用させ下痢を起こさせたり,脅迫して精神病に追い込む場合も生理的機能に障害を与えたとして傷害罪になりえます。
さらに,近時よく耳にするPTSD(心的外傷後ストレス症候群)の症状も傷害罪に含まれる余地があります。なお,過去の判例には「自宅から隣家の被害者に向けて連日ラジオの音声等を大音量で鳴らし続け,慢性頭痛症等の傷害を負わせた行為」について,傷害罪を肯定しています。
(最2小決平成17年3月29日の要旨)
「Xは,自宅の中で隣家に最も近い位置にある台所の隣家に面した窓の一部を開け,窓際及びその付近にラジオ及び複数の目覚まし時計を置き,約1年半の間にわたり,隣家のAらに向けて,精神的ストレスによる障害を生じさせるかも知れないことを認識しながら,連日朝から深夜ないし翌未明まで,ラジオなどの音を大音量で鳴らし続けるなどして,Aに精神的にストレスを与え,よって,同人に全治不詳の慢性頭痛症,睡眠障害,耳鳴り症の障害を負わせたというのである。以上のような事実関係の下において,Xの行為が傷害罪の実行行為に当たるとして,同罪の成立を認めた原判断は正当である。」
暴行とは,人の身体に向けられた有形力の行使と定義されます。有形力の行使は,必ずしも身体への接触を伴うものでなくてもかまいません。
もっとも,実務上は軽微な暴行は事件化されることはそれほど多くなく,傷害に当たるような事案のうち比較的傷害程度が低いものについて本罪の対象として処罰されることが多いです。
ちなみに,208条は次のように規定しています。
「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」刑法208条の有形力の行使の具体例としては,殴打等の典型例のほか,手に持っている空き缶を蹴る行為,故意に人に向かって農薬を撒布する行為,人の乗っている自動車に石を命中させる行為などが挙げられます。
冒頭の八尾市の事例(フィクション)ではAはカッターナイフでV女の肩付近を切りつけました。
カッターナイフという刃物を持ち出していることから殺意があるのではないか(殺人未遂罪になるのではないか)と疑問に思われる方はいらっしゃるのではないでしょうか?
冒頭の事例ではカッターナイフでしたが,これが果物ナイフ,出刃包丁等であった場合がどうでしょうか?
殺意の有無についは,一律に判断きません。具体的な事情によって判断してゆくこととなります。例えば,犯行の態様(凶器の種類、形状、用法、創傷の部位、程度),犯行の背景(前からうらんでいた)経過,動機,犯行中あるいは犯行後の被告人の言動など、を総合考慮して検討してゆくこととなります。
冒頭の事例で検討してみると,たしかに,Aは凶器にカッターナイフを使用しており、首などにあたると死亡のおそれがあります。
もっとも,AはVに対しあくまで切り付けたのであって,カッターナイフを心臓あたりに刺しているわけではありません。また,カッターナイフはわずか3センチしか出ておらず,ナイフと違い折れやすいものです。
そして,このような折れやすいもので,枢要部でない肩付近を狙っています。しかも,AはVに肩をつかまれており,力が完全に入りきらない状況であることも考慮すると,殺意はなく,傷害の故意にとどまると判断することも可能となります。
【殺意なしと認定された過去の裁判例(大津地判平成15年2月4日)】
「被告人は,ビルのトイレを利用する女性から強盗を企て,女子トイレにおいて,被害者の前に立ちはだかって脅迫した上,個室内にしゃがみこんだ同人の背後から左手で口を塞ぐなどの暴行を加え,金品を強取しようとしたが,同人が抵抗したためその目的を遂げず,その際,逃走を容易にするため,所携のペティナイフ(刃体の長さ約13センチメートル)で同人の右上腕部等を1回突き刺し,同人に加療約3週間を要する右外傷性気胸,右上腕穿通創,右側胸部刺入創等の傷害を負わせた。」事例で殺意なしと認定しました。
判断の骨子は次の通りです。「被害者は恐怖感から叫び声をあげつつ,被告人に背を向け,壁を向いてしゃがみこんだこと,被告人は強取を断念し,逃走する直前,ペティナイフを右手に順手で持ち,被害者の背中に覆いかぶさるようにして右肩部辺りを刺突したが,ナイフはたまたま腕の骨に当たらなかったため,右側胸部に達したのであって直接胸部を狙ったものではないこと,被害者の抵抗や逮捕に向けての具体的な行動がなかったことを考慮すると,被告人が被害者に対し,,未必的にしろ殺意を抱くような感情の激変や切迫性がなかったと推認できるとした。その上で,被害者が騒いだためその場から早急に立ち去ることで頭が一杯になり,特に狙いを定めることなく被害者の右肩辺りを刺したとの被告人の公判供述は必ずしも不合理として排斥できないとして,未必の殺意があったとの検察官の主張は採用できない」と判断しました。
| 弁護士による接見 | 一般の方(弁護士以外)の接見 |
---|---|---|
接見日時 | 平日以外の土日祝も可能(即日接見可能) | 逮捕中72時間は接見が不可 月曜から金曜の平日に限定 |
接見時間 | 制限なし 夜間等も可能 | 例えば,朝9時から夕方5時頃まで 約15分間(回数は1回のみ)など,制限があります。 |
接見方法 | 警察官の立会いなし | 警察官の立会いあり |
当事務所では,接見サービスを提供しております。ご家族・お子様が逮捕された場合には,一度接見に行かせていただき,ご本人様に今後の見通しや対応方法を説明させていただきます。また,ご家族には,接見後にご本人の様子を報告させていただきます。
確かに,民事不介入という言葉をよく耳にしますが,軽いとは評価しきれない傷害結果が生じた場合などには,逮捕されることもありえます。逮捕後,妻がまさか刑事事件になるとまでは思わず,夫の釈放を求める場合もあります。
その際には,例えば,妻が夫を許してやってくださいと上申することや夫婦間での示談(夫婦間で示談というのもおかしな感じがするのですが)ということもありえます。
なお,「逮捕」とは,被疑者の身体を強制的に拘束し,指定の場所に引致することをいいます。逮捕手続きには,「令状による逮捕」(「通常逮捕」「緊急逮捕」)と令状にもとづかない「現行犯(準現行犯逮捕)」とがあります。
典型的なけんか闘争について述べると,正当防衛・過剰防衛が成立しないと考えられています。
これは,双方が相手方の侵害を予期していて,相手方に対してその機会を利用してお互いに加害行為に及ぶためと説明されたりします。
参考となる判例を1つ紹介します。
「刑法36条(正当防衛の条文)は,急迫不正の侵害という緊急状況の下で公的機関による法的保護を求めることが期待できないときに,侵害を排除するための私人による対抗行為を例外的に許容したものである。
したがって,行為者が侵害を予期した上で対抗行為に及んだ場合,侵害の急迫性の要件については(中略),対抗行為に先行する事情を含めた行為全般の状況に照らして検討すべきである。」
この判例は,喧嘩の場合等,原則として警察に保護を求めるべきであり,この余裕がないときにはじめて正当防衛が問題となると解することもできます。
このような考え方には,正当防衛はあくまで権利であり,逃げる義務ではないという指摘もあるところです。
しかし,実務においては,あらかじめ侵害が予期できるなら,警察に通報すればよいという発想・理屈が背後にあるように考えられます。
弁護士が嘘の自白調書やニュアンスが違った調書が作成されないようアドバイスします。
傷害事件は身体拘束(逮捕・勾留)されることも少なからずあります。取調対応によっては身体拘束期間も長くなることも予想されます。早期に弁護士に依頼することで,早期釈放へ向け弁護活動を行うことができます。
傷害事件の場合,加害者が被害者と直接示談をすることは困難な場合が多いといえます。早い段階で弁護士に相談し,被害者に謝罪することや,示談して解決することが重要となります。被害者が被害届の取り下げをすることにより,不起訴処分を獲得しやすくなりますし,不起訴処分であれば前科も付きません。
公判準備活動・不起訴処分獲得
執行猶予や不起訴処分獲得など,少しでも有利な処分を獲得できるように活動してゆきます。
藤井寺法律事務所は,広く近畿圏からご相談・ご依頼をいただいており,傷害罪のことだけでなく弁護士が直接刑事事件・少年事件の「初回無料相談」を行います。刑事事件はスピードが命です。早期に弁護士にご相談され,早めに対策をたてることが有利な結果へとつながりやすくなります。
一人で悩まず,ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。
身体拘束された事件では,最短電話いただいた当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「接見サービス」もご提供しています。
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