〒583-0027 大阪府藤井寺市岡2丁目7番67号西野ビル2階A号室
藤井寺駅から徒歩
大阪阿部野橋より準急で
天王寺・大阪阿部野橋から13
堺市から23

無料相談受付中

受付時間:9:30~22:00
(土日祝も可能)
●刑事事件・少年事件
実績多数
●迅速な接見対応で不安の解消
広く近畿圏からの多数のご依頼
明瞭な料金設定で安心のご依頼
定休日 :火曜日

今すぐ電話相談する(土・日・祝も繋がります)

072-938-7566

大阪市天王寺区の器物損壊罪の逮捕事例を検討

広く近畿圏からご相談いただいております。
刑事事件・少年事件でお悩みの方
藤井寺法律事務所まで

器物損壊罪

~ リッチなブラックユーモア ~

例えば,大阪市天王寺区において器物損壊罪等で逮捕された次のような事例(フィクション)があるとします。

Aは「リッチなブラックユーモア」というツーリング仲間を募るサイトを通じて知り合った人たちと,会社の休みを利用してよくツーリングをしていました。

ある日,Aらは,いつものようにツーリング仲間数人と高速道路を走っていました。一日中遊びまわり,気が付くともう夜です。Aらは高速道路を下りた後,駐車場でたむろしてコンビニで買った酒を飲んでいました。駐車場の周りに人気はなく,この駐車場から最も近い建物としては,30メートル先に先程彼らが酒を買ったコンビニがあるくらいです。

酒の勢いもあってか大きな声で話をしたり駐車場内で花火をしたりしていました。あたりが真っ暗なせいもあってか,花火がきれいです。Aらの周りには,車やバイクが数台駐車(その中に,Vバイクや赤色のW車やX車)されていました。それぞれの車両はおよそ5メートル間隔で駐車されています。

そんな中,AらはVバイクをみて,あのバイクの色はダサいしセンスが悪いなどといい,ふざけあっていました。Aらはやがて悪乗りがすぎ,「こんなダサいバイクはこうしてやる」と言って,AはVバイクのミラーを持っていたスパナで割りました。

それを見ていたツーリング仲間は面白がり,ますます盛り上がり,AらはVバイクだけでは飽き足らず,赤色のW車にガソリンをかけた上,ライターで火をつけました。

すると,W車は紫の炎を上げて燃え始めエンジンが焼けこげました。

(上記事例は,フィクションです)

Vバイクについて(器物損壊罪)

この事例において,思いつく犯罪としては器物損壊罪などが考えられます。

AがVバイクのミラーをスパナで割ったことは器物損壊罪に該当します。

刑法261条には次のように規定されています。

「前3条に規定するもののほか,他人の物を損壊し,又は傷害した者は,3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。」ここで,前3条に規定するものとは,

【公用文書毀棄罪(258条)】

「公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。

【私用文書毀棄罪(259条)】

権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は,5年以下の拘禁刑に処する。

【建造物等損壊罪・同致死傷罪(260条)】

他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の拘禁刑に処する。よって人を死傷させた者は,傷害の罪と比して,重い刑により処断する。


※上記3つについては,器物損壊罪ではなく上記のそれぞれの犯罪で処罰されます。これらは,毀棄,隠匿罪のうちでも,法益が重要なものであるために器物損壊罪とは別に規定されるとともに,刑も加重されたといえます。

※拘禁刑とは,2022年6月17日公布の改正刑法により,従来の懲役と禁錮を一本化したものとして創設された2025年6月1日施行の新しい刑の種類です。

ここで,「損壊」とは「その物の効用を害する行為」をいいます。つまり,その物の性能や価値を下げる行為をすると「損壊」に該当します。具体的には,他人の物を壊す,他人の家に落書きをする,などです。選挙時期になると選挙ポスターを破ったりする事件が少なからずありますが,当然器物損壊罪に該当しますし,逮捕される可能性も十分にあります。

また,「傷害」については,専ら他人の動物を傷つけることが挙げられます。

本件の事例では,Aは他人のバイク(前3条に該当しない物)をスパナで損壊していますので,器物損壊罪に該当します。

なお,器物損壊罪は親告罪のため,告訴がなければ公訴を提起することができません。

自分の物を壊しても器物損壊罪は成立するの?

≪Variation≫ 

~ 自分の物を壊しても器物損壊罪が成立するの? ~

刑法261条には,「他人の物を損壊」とありますので,自分の物を壊しても器物損壊罪は成立しません。当たり前のことのように思えます。
もっとも,刑法には次のような規定があります。

【刑法262条】

自己の物であっても,差押を受け,物件を負担し,賃貸し,又は配偶者居住権が設定されたものを損壊し,又は傷害したときは,前3条の例による。
⇒たとえ自分の物であっても差押えをうけたりしていていてそれを壊すと器物損壊罪に該当します。

W車について(器物損壊罪,建造物等以外放火罪)

W車にガソリンをかけ,ライターでひをつけてエンジンを焼けこげさせた点についてはどうでしょうか。

Vバイクと同じく器物損壊罪が成立するとも思えます。

ここで,刑法110条1項をみてみましょう。110条1項は建造物等以外放火罪の条文で,次のように規定されております。

【刑法110条1項(建造物等以外放火罪)】

「放火して,前2条に規定する物以外の物を焼損し,よって公共の危険を生じさせた者は,1年以上10年以下の拘禁刑に処する。」

前2条とは現住建造物や非現住建造物などをさしますが,それ以外の物,つまり,車やバイクなどを焼損した場合にはこの110条1項で処罰される可能性があります。

では,器物損壊罪と建造物等以外放火罪の違いはどのようなものでしょうか?
他人の物を火をつけて燃やして壊すと建造物等以外放火罪となり,火をつける以外の方法で他人の物を壊すと器物損壊罪となるのでしょうか?

ここでのポイントは「公共の危険」の有無です。

110条1項には「よって公共の危険を生じさせた」と規定されており,この公共の危険の有無が器物損壊罪と建造物等以外放火罪との区別で重要となってきます。

つまり,火をつけて,例えば他人のバイク(物)を燃やしたとしても公共の危険が発生しなければ器物損壊罪が成立するにとどまるということです。

公共の危険

それでは,建造物等以外放火罪110条1項に規定されている「公共の危険」とはどういう意味なのでしょうか?

この意味については見解が分かれるところです。

1つの見解として「公共の危険」を建造物等への延焼の危険に限定するものがありますが,この見解によると,本件のように被害車両から最も近いコンビニ(建造物)は30メートル先であることから,火が燃え移る可能性は低く,建造物に対する延焼の危険はないといえ,「公共の危険」は生じていないといえます。

よって,この考え方によるとAらのW車を燃やしたことについては,器物損壊罪が成立するにとどまります。

しかし,判例は少なくともこのような考え方に立っておりません。

110条1項にいう「公共の危険」は,不特定又は多数の人の生命,身体又は前記建造物等以外の財産に対する危険も含まれると解するのが相当である,としています。つまり,「公共の危険」を建造物等への延焼の危険に限定しません。

とすると,本件のように,W車の5メートル先という近くにはX車が停められており,W車の火をそのままにしておくと,W車のガソリンタンク内のガソリンなどに引火した炎が飛び散ってX車に延焼する危険があるといえます。

よって,この判例の立場によると,AらのW車に対する上記行為は建造物等以外放火罪が成立することとなります。

なお,建造物等以外放火罪は器物損壊罪のように親告罪ではありません

器物損壊罪において過失犯は処罰されない

刑法38条1項には,次のような規定があります。

「罪を犯す意思がない行為は,罰しない。ただし,法律に特別の規定がある場合は,この限りでない。」

これは,刑法においては故意犯処罰(罪を犯す意思がある場合を処罰する)が原則であり,過失犯は,特別の定めのある場合に例外的に処罰されるとするものです。

例えば,傷害罪の場合は,刑法209条で過失傷害罪が規定されているため,傷害罪において過失犯が処罰されます。

一方,今回の事例のように「器物損壊罪」においては過失犯の処罰規定があります。ですから,過失によって他人の物を壊したりした場合には,過失器物損壊罪ということで処罰されるということはありません。

具体的に問題となるケースとしては,交通事故の物損事故が挙げられます。物損事故においては,あくまで過失で物を壊したのであり器物損壊罪が成立しません。

器物損壊罪で逮捕されるの?

「逮捕」とは,被疑者の身体を強制的に拘束し,指定の場所に引致することをいいます。

逮捕手続きには,「令状による逮捕」(「通常逮捕」「緊急逮捕」)と令状にもとづかない「現行犯(準現行犯逮捕)」とがあります。

確かに器物損壊罪は窃盗事件等と比べ法定刑は軽いですが,例えば選挙ポスターを破ったりするなど悪質な事件の場合には,逮捕されるケースも少なからずあります。

本件のように,Vさんのような被害者がいるケースであれば,被害者と示談をすることで逮捕回避の可能性を高めたり,仮に身体拘束されても釈放の可能性をあげたり,少しでも有利な処分(不起訴・罰金・執行猶予)獲得を期待することができます。

逮捕されると家族と連絡がとれるの?

通常,ご家族の方(弁護人以外の者)は逮捕中の被疑者との面会が認められません。逮捕後に勾留されると面会が認められます。もっとも,家族の方と面会ができるといっても,警察官等の立会いや時間制限のもとで面会が認められるにすぎません。

なお,裁判官は逃亡や罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由がある場合には,検察官の請求により又は職権で,勾留されている被疑者の方と接見を禁ずることができます。つまり,ご家族との面会を禁止されることがあります。

一方,弁護士との面会は原則として自由で,警察官等の立会いや時間制限もありません。逮捕・勾留されている方は,長い取調べに耐えなければならず,精神的に参ってしまうことも多々あります。このような状況下で取調対応を誤り,取り返しのつかない事態を招くおそれも少なからずあります。

速やかに弁護士を派遣することで,身体拘束を受けている方に今後の手続きの流れ・見通し,取調対応などをアドバイスすることが重要となってきます。

接見について

被疑者・被告人の方は身柄拘束されている間は接見する権利があります。そして,「接見」には弁護士以外の方による接見(例えばご家族等による接見をあげることができ,「一般面会」といいます)と弁護士による接見(「弁護士接見」といいます)とに分けられます。

法律上,弁護士の接見交通権の方が手厚く保護されています。具体的な違いの一部を下記に掲載しましたのでご参照ください。なお,逮捕後勾留されるまで(最大で72時間)は,ご家族等一般の方の面会自体が認められていません。

して,警察にお願いしても面会を断られることが少なからずあります。また,逮捕後に勾留がなされた場合において面会が可能となりますが,接見等禁止決定がなされると面会できません。

このような場合には,弁護士を通じて接見禁止の解除の申立てをしたり,弁護士を通じて差入れを行う等の対応(但し証拠隠滅などに該当するものは除くことに注意してください)することがあります。

弁護士接見 一般面会
逮捕段階から可能 逮捕段階では原則面会不可なので注意
時間制限・回数制限なし 1日1組3人まで。時間は15分など

警察官などの立会いなし

警察官などの立会いあり
接見禁止されていても面会可能 接見禁止されていると面会不可なので注意

示談Q&A

示談のご相談も多くいただいております

示談についてよくあるご質問などを中心に記載しました。
ご不明な点やご質問があれば,お問い合わせくださいませ。

示談について

示談とは,簡単に言うと,当事者の話合いによって争いを解決することをいいます。

器物損壊罪のように被害者がいる犯罪では,示談が重要となってきます。示談の内容としては,通常,金銭を支払うことによって解決することとなりますが,示談書の中に様々な条件が盛り込まれることも少なからずあります。

そのため,示談では柔軟な解決を図ることが可能となります。

示談のメリットは何ですか?

刑事事件において被疑者・被告人に有利な事情として考慮されます。例えば,検察官の終局処分の前に示談が成立すれば,不起訴処分につながりやすくなりますし,起訴後であれば執行猶予付きの判決や量刑に大きな影響を与えます。

また,器物損壊罪のように親告罪(告訴がなければ起訴ができない犯罪)の場合には,告訴状を取り下げてもらえることができれば起訴を避けることもできます。

示談金の相場はありますか?

示談金の相場に関しては,一概には答えることができませんが,被害額に慰謝料であるお気持ちを上乗せした額が一例として挙げられます。

例えば器物損壊罪の場合の示談金は,財産的損害と精神的損害(慰謝料)を含み決定されますが,被疑者側の事情と被害者側の事情によって左右されます。

初犯の場合,罰金刑が見込まれますが,そのような場合には,罰金処分として予測される額が一応の目安になる場合もあります。

ご不安な方は,相場を含め一度弁護士にご相談されることをお勧めします。

示談の方法について教えてください。

示談は,事件を当事者間での解決するものであるため,被害者と加害者が直接話し合いによって行うことも可能です。

しかし,事件の当事者が直接面会して示談交渉をすることはお勧めできません。

といいますのも,感情的になって交渉が難航したり,処罰感情を高めてしまうおそれが考えられるからです。

弁護士を間に入れることにより,冷静な解決が可能となります。

少年事件

本件でAが20歳未満の場合,少年法が適用となります。少年事件は、20歳未満の少年が対象です。少年事件は,原則として全ての事件が家庭裁判所に送られます。

事件が家庭裁判所に送られた後は、家庭裁判所調査官が中心となって,少年が犯した非行の内容,家庭環境や生活状況・家族関係・交友関係などを調査します。そして,裁判所はそれらを考慮に入れた上で「少年審判」において少年に対する処分を決めます。

器物損壊事件における弁護活動

  • 1
    取調べに向けてのアドバイス
  • 早期の身体拘束解放活動
  • 被害回復
  • 不起訴処分や執行猶予獲得等,少しでも有利な処分が出るよう活動

大阪市天王寺区をはじめ,藤井寺法律事務所では,弁護士が直接「初回無料相談」を行います。

ご家族が「逮捕」「勾留」「実刑になるかもしれない」,今後のことが不安,今後の見通しを聞きたい,等などご相談(「初回無料」)を受け付けております。刑事手続きの今後の流れや,釈放・保釈の見通しなどについて丁寧にアドバイスいたします。

逮捕されるなど,身体拘束された事件では,最短電話いただいた当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「接見サービス」もご提供しています。

関連ページのご紹介

こちらのページを読んだ方には,下記ののページもよく読まれています。ぜひご一読ください。
 

お問合せ・ご相談はこちら

受付時間
9:30~22:00
定休日
火曜日


今すぐ電話相談する
(土・日・祝も繋がります)

072-938-7566

お問合せはこちら

お電話でのお問合せはこちら

072-938-7566

メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

主な対応エリア

大阪府内をはじめ関西全域対応
※上記以外の地域でも対応可能な場合がございますので,ご相談ください。